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生殖器の病気
子宮蓄膿症(しきゅうちくのうしょう)
■子宮にうみがたまり、腹がふくれる
子宮が細菌に感染して炎症をおこした結果、子宮の内部にうみがたまる病気です。
5才以上のメスの犬、とくに老犬にはふつうに見られます。
よほど病気が進行しないかぎり、とくに問題なく治療できます。
<症状>
子宮が広い範囲にわたって炎症をおこすため、水をたくさん飲むようになり、尿の量が増える。
子宮の内部にうみがたまり、腹部が大きくふくれる。
子宮頸(しきゅうけい)が開いていれば、陰部からうみや血膿(けつのう)が出る。
症状が進むと貧血や腎不全をおこしたり、食欲不振、発熱や嘔吐などが見られる。
<原因>
子宮が細菌に感染して炎症をおこし、生じたうみが子宮の内部にたまることが原因。
発情期には子宮の頸部(けいぶ)がゆるむため、細菌が進入しやすくなる。
乳腺炎(にゅうせんえん)
■乳腺にしこりができ、熱をもつ
子犬の授乳期に乳腺が熱をおび、しこりが生じます。
細菌に感染して化膿することもあります。
<症状>
急性では全身が発熱し、乳腺が熱を持ち、しこりが生じ、痛みもある。
黄色い乳汁が出る。
食欲不振になり、いらいらした動きなどが見られる。
細菌に感染していなければ、すぐに回復することが多い。
<原因>
子犬の授乳期におこりやすく、乳汁が過剰に分泌されたり、細菌の感染によっておこる。
膣の病気(ちつのびょうき)
■膣が赤く腫れたり、外にはみ出る
メスの犬の膣は、交配や子宮内膜炎、出産などによって細菌に感染し、炎症をおこすことがあります。
また、女性ホルモンが過剰に分泌され、膣の粘膜が厚くなって、膣の外にまではみ出してしまうこともあります。
<症状>
膣炎になると、膣が炎症をおこして赤く腫れ、粘液性のおりものがある。
(妊娠初期や流産したとき、子宮内膜炎や子宮蓄膿症のときにも見られる)
よほど炎症がはげしくない限り、全身症状はない。
膣の粘膜が厚くなって、膣の外にまではみ出してしまう。
<原因>
交配や子宮内膜炎、出産などによって細菌に感染しておこる。
膣の粘膜が厚くなって、膣の外にまではみ出してしまう原因は、女性ホルモンが過剰に分泌されることによっておこる。
精巣の腫瘍(せいそうのしゅよう)
■メスのように乳がふくらむこともある
精巣(せいそう)の腫瘍(しゅよう)は、人間よりも発生率が高く、犬には多く見られます。
腫瘍細胞の増殖によって精巣がふくれ上がることもあり、ほとんどは良性ですが、まれに他の臓器に転移することもあります。
<症状>
犬の精巣の腫瘍には、精上皮腫(せいじょうひしゅ)、セルトリ細胞腫、間質細胞腫がある。
精上皮腫は、明るい色の腫瘍で、左右の精巣の両方にできることもある。
セルトリ細胞腫は、精巣全体に腫瘍細胞が広がり、精巣がふくれ上がる。
この病気になると、腫瘍細胞は女性ホルモンを分泌するので、メスのように乳腺が大きくなったり、お腹の部分が脱毛したりする。
間質細胞腫は、老犬によくできる腫瘍で、小さいため見落とされがちである。
この腫瘍ができると、女性ホルモンが分泌されるので、やはりメス化が見られる。
<原因>
はっきりとした原因はわかっていない。しかし、犬に精巣の腫瘍が多いのは、精巣(睾丸)が正しい場所にない、睾丸停滞(こうがんていたい)という病気が多いためと考えられている。
精巣は胎児のときに腎臓のすぐ後ろにできるが、出生が近づくにつれて体の後部に移動して行き、生後1ヶ月では肛門に近い陰嚢(いんのう)内に入る。
しかし、中には途中の経路で、精巣が止まってしまうことがある。
これが睾丸停滞(こうがんていたい)である。