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呼吸器の病気
鼻炎(びえん)
■原因をつきとめることが大切
鼻の中の粘膜が炎症をおこす病気です。
ウィルスや細菌の感染、あるいは外部からの物理的・化学的な刺激などによって発症します。
<症状>
軽い鼻汁、血液が混じる鼻汁、鼻の外側がただれる、くしゃみ、鼻の粘膜の腫れにより鼻腔が狭くなり呼吸困難をおこす。
<原因>
ウィルスや細菌の感染、冬の乾燥や寒冷な気候によって鼻粘膜が刺激されると細菌感染しやすい。
刺激臭の強い薬品、煙、ガスなどを吸い込むと炎症をおこす。
鼻腔内部の腫瘍や、犬歯の根元の可能や、歯肉炎の悪化も原因である。
副鼻腔炎(ふくびくうえん)
■鼻炎が鼻の奥まで広がる
鼻炎を放っておくと炎症が鼻の奥の副鼻腔にまで広がり、ひどいときには蓄膿症になります。
<症状>
鼻汁(血液が混じることもある)、くしゃみ、呼吸困難、鼻の上が腫れる、結膜炎を併発することもある。
そのため目やにや涙が出る。
<原因>
鼻炎を放っておいたために、炎症が鼻の奥の副鼻腔にまで広がり、副鼻腔炎となる。
鼻出血(びしゅっけつ)
■けがや病気で出る鼻血
顔にけがをおったり、血液の病気、感染症などが原因となって、鼻から出血します。
<症状>
鼻から出血する(何日も少しずつ出血する、または多量の鮮血が急激に出てくる)
くしゃみ、咳が出る。
<原因>
打撲や骨折による鼻腔の異常、鼻の内部に腫瘍ができている、血液の病気、感染症。
咽頭炎(いんとうえん)
■せきやのどの痛みが進行する
口や鼻の内部の炎症がのどに広がったり、全身的な病気が原因となって、のどに炎症がおこる病気です。
<症状>
咳が出る、のどの痛みによる食欲不振、のどが刺激されよだれが出る、吐き気、嘔吐、呼吸困難。
<原因>
有毒なガスや薬品を吸い込む、食べ物がのどを通るときに傷がつく、鼻炎や口内炎の炎症が、隣り合っているのどに影響をあたえて炎症をおこす。
気管支炎(きかんしえん)
■ひどい咳がでる
おもに、ウィルスや細菌に感染して気管支に炎症をおこし、せきを繰り返し呼吸困難になることもあります。
<症状>
乾いたようなからせきを繰り返す、吐き気、発熱、食欲不振、呼吸困難。
<原因>
ウィルス、細菌、真菌などの感染によるもの、刺激性の煙やガス、化学薬品などを吸い込む、異物を飲み込んだためにできた外傷など。
気管支狭窄(きかんしきょうさく)
■気管が狭くなり呼吸困難になる
気管または気管支が、周囲の臓器などの異常によって圧迫され、内部が狭くなることを気管支狭窄(きかんしきょうさく)といいます。
<症状>
咳が出る、ゼーゼーという呼吸音、いびき、呼吸困難、口の中の粘膜が紫色になるチアノーゼ、吐き気、首の痛み。
<原因>
気管が内側または外側からの圧迫や、まちがって吸い込んだ異物によっておこる。
咽頭、気管、食道、肺、胸腔などの炎症や腫瘍。
気管または気管支自体の炎症や腫瘍。
気管虚脱(きかんきょだつ)
■気管がつぶれて呼吸困難になる
遺伝的な原因や肥満、老齢のために気管が押しつぶされ扁平(へんぺい)となり、呼吸が困難になる病気です。
小型の犬や短頭の犬に発生しやすく、特に暑い季節に症状が出ます。
<症状>
苦しそうな呼吸をする、激しい咳が出る、呼吸困難、よだれが出る、舌や歯肉の色が紫色になるチアノーゼ。
<原因>
気管をつくっている軟骨が正常な状態を保てない。
先天的な異常、肥満や老齢。
肺炎(はいえん)
■感染による重い呼吸器病
ウィルスや細菌、寄生虫などの感染症が進むと、肺と気管支の重い炎症を併発することがあります。
これが肺炎です。
ひどい発熱や呼吸困難で倒れることもあります。
<症状>
咳が出る、吐き気、呼吸困難、発熱、食欲不振。
<原因>
ジステンパーウィルスやケンネルコフの原因になるパラインフルエンザウィルス、アデノウィルス、あるいは細菌、真菌などの感染によるものが多い。
寄生虫の感染、刺激性のガスや薬品を吸い込む。
肺気腫(はいきしゅ)
■呼吸困難が徐々に進む
肺の中で重要なはたらきをしている肺胞が異常にふくらみ、空気を必要以上にとりこんで、ついにはこわれてしまう病気です。
<症状>
急性の場合は、口や鼻から泡やよだれを出し、急激な呼吸困難となり非常に苦しみ、そのまま死に至ることもある。
慢性の場合は、軽い呼吸困難や疲れやすいなど。
肺の中に過剰にたまった空気により、皮下気腫があらわれる。
<原因>
肺の中の肺胞が何らかの原因で異常に広がり、空気を必要以上にふくんでしまうため。
気管支炎や腫瘍により、気管支が狭くなったり閉じたりすると、そのまわりの肺胞が部分的にいたんで肺気腫になる。
急激な咳の発作により、肺胞が緊張し、急性肺気腫になることもある。
激しい運動のあとに、急激な呼吸運動をしたために肺胞が酷使され、その結果、肺気腫をおこすこともある。
肺水腫(はいすいしゅ)
■肺の中に水がたまる
肺の中に水がたまるために肺がむくみ、酸素と二酸化炭素の交換がむずかしくなり、症状が進行すると、呼吸困難をひきおこします。
<症状>
咳が出る、呼吸困難、よだれが出る。
<原因>
肺胞に水がたまって、肺がむくんだ状態(浮腫)になる。
酸素と二酸化炭素の交換がむずかしくなり、呼吸困難になる。
気管支などの、周囲の器管が炎症をおこした結果、肺水腫になることもある。
刺激性のガスや薬品などを吸い込む。
気胸(ききょう)
■胸の中に空気がたまり、呼吸困難になる。
ケガや肺炎などの病気のために、胸の中によぶんな空気がたまり、呼吸が困難になる病気です。
<症状>
呼吸が速く浅くなり、呼吸困難になる。
胸部が大きくなったように見える。
よだれが出る、喀血(かっけつ)、吐血。
<原因>
なんらかの原因で胸腔に穴があくと、そこから空気が進入してくるので、肺が正常な呼吸運動することを妨げる。
気管や肺が、咳や外傷などの衝撃によって破れたり、肺炎や気管支炎などで組織がもろくなり、破れることがある。
このような場合でも、空気が胸腔の中に入り込み、正常な呼吸運動ができなくなる。
横隔膜ヘルニア(おうかくまくへるにあ)
■横隔膜が破れて臓器がはみ出る
おもにケガの衝撃によって、横隔膜が破れたり裂けたりして、腹部の臓器がその穴から、胸の内部に押し出されてしまいます。
ヘルニアとはもともと穴のないところが裂けたりして、そこから臓器がはみ出ることをいいます。
<症状>
呼吸困難(荒い呼吸を繰り返す)、吐き気、嘔吐、腹痛、食欲不振。
<原因>
事故や打撲などによる外傷。
胸膜炎(きょうまくえん)
■胸膜が炎症をおこす
胸の内部をおおっている胸膜が炎症をおこし、症状が重くなると呼吸困難になり、場合によっては死亡することもあります。
<症状>
運動をいやがる、呼吸困難、咳が出る、発熱、食欲不振。
<原因>
ウィルスや細菌、真菌などの感染により、胸膜が炎症をおこす。
(ウィルスの場合は、イヌ伝染性感染ウィルスがおもな原因)
胸部の外傷、胸腔内の腫瘍(しゅよう)など。